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今後の法改正の動き

「23年度税制改正」税理士 中野智之

2011⁄08⁄18

ネコ

今年は東日本大震災の影響もあり、23年度税制改正については、一部を切り離した
「現下の厳しい経済状況及び雇用情勢に対応して税制の整備を図るための所得税法等の一部を改正する法律案」(以下、改正法律案)が、6月22日に参議院本会議で成立し、6月30日に公布されました。  平成23年度税制改正大綱で示された項目のうち、抜本的な改革項目は先送りされたものの、課税の適正化や経済の雇用の安定を図るものについては改正が実施されました。

改正法律案のうち、主な項目とその適用期日を以下に掲げます。

1.法人税法
 (1)グループ法人税制の適正化
 
  • 解散が見込まれる完全支配会社の株式の評価損は計上しないとが明記されました。(公布日から適用)
  • 複数の完全支配関係がある大法人に発行済み株式等の全部を保有されている法人は、中小企業者等の軽減税率を適用しないとともに、特定同族会社の特別税率の適用対象とされました。
    (23年4月1日以後開始事業年度から適用)
 
 (2) 棚卸資産の評価方法の見直し
 
  • 切放し低価法が廃止されました。
    (23年4月1日以後に開始する事業年度から適用)
 
 (3) 仮決算による中間申告書を提出できないケース(公布日から適用)
 
  • 前事業年度の確定法人税額を前事業年度の月数で除し、これに6を乗じて計算した金額が、10万円以下である場合又はその金額がない場合
  • 仮決算による中間申告書に記載すべき法人税の額が、前事業年度の確定法人税額を前事業年度の月数で除し、これに6を乗じて計算した金額を超える場合
 
 (4) 還付加算金の計算期間の変更
 
  • 更正又は決定に基づく所得税額等及び中間納付額の還付に係る還付加算金の計算期間は、確定申告書の提出期限の翌日から更正の日の翌日以後1月を経過する日までの日数は、当該計算期間に算入しないこととされました。
    (23年1月1日以後に決定又は充当される還付金について適用)
 
  (5) 取引先等に対する調査の対象物件の見直し
 
  • 帳簿書類以外の物件が追加されました。
    (23年4月1日以後に開始する事業年度から適用)
 
  (6) 故意の申告書不提出によるほ脱犯の創設
 
  • 確定申告書等をその提出期限までに提出しないことにより法人税を免れた者に対して、5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金に処せられ、又はこれを併科されることとなりました。
    (公布の日から起算して2月経過日以後の違反行為に適用)
 
2.租税特別措置法
 (1) 制度の新設
 
  • エネルギー環境負荷低減推進設備等を取得した場合の
    特別償却又は特別税額控除
    (公布日から26年3月31日にその設備等を取得等した場合に適用)
  • 雇用者の数が増加した場合の特別税額控除
    (23年4月1日から26年3月31日に開始する事業年度に適用)
  • 次世代育成支援対策に係る基準適合認定を受けた場合の建物等の割増償却
    (23年4月1日から26年3月31日に開始する事業年度に適用)
 
  (2) 23年6月30日で期限切れになる租税特別措置のうち、24年3月31日まで延長されるもの
 
  • 中小企業者等の法人税率の特例軽減税率が22%から18%に引き下げられています。
  • 試験研究を行った場合の特別税額控除の特例
    当初、上乗せの廃止を予定していました。
  • 事業革新設備の特別償却
  • エネルギー需給構造改革推進設備等を取得した場合の特別償却等
  • 事業基盤強化設備等を取得した場合等の特別償却又は特別税額控除
    当初、廃止の予定でした。
 
3.消費税法
  (1) その課税期間の課税売上高が5億円を超える事業者は、課税売上割合が5%以上であっても仕入税額の全額を控除することはできません。
(24年4月1日以後に開始する事業年度に適用)
 
  (2) 基準期間の課税売上高および特定期間(前事業年度の上半期)の課税売上高が、1,000万円以下のときには免税事業者となります。
(25年1月1日以後に開始する事業年度に適用)
 
  • 個人事業者の場合、平成24年1月1日から6月30日の課税売上高が1000万円を超える場合、平成25年分から課税事業者となります。
  • 3月決算法人の場合、平成24年4月1日から9月30日までの課税売上高が1000万円を超える場合、25年度の課税期間(25年4月1日から26年3月31日)から課税事業者になります。
 
4.所得税関係
  (1) 年金収入、年金以外の所得が一定額以下の者の申告手続きの簡素化
 
  • その年において公的年金等を支給されている人のうち、その年金収入が400万円以下である人が、その年金収入以外の所得が20万円以下であるときは、確定申告書の提出の必要はありません。 (平成23年分の所得税から適用)
 
  (2) 事務所等の移転があった場合の源泉所得税の納税地の見直し
 
  • 事務所移転後の事務所等の所在地の所轄税務署が課税処理を行います。
    (24年1月1日以後に源泉所得税を納付する場合に適用)
 
  (3) 申告義務のある者の還付申告書の提出期間の見直し
 
  • 現在2月16日以降とされていましたが、1月1日からになりました。
    (平成23年分の所得税から適用)
 
  (4) 認定特定非営利活動法人に寄付をした場合の所得税額の特別控除
 
  • 認定NPO法人への寄附金又は一定の法人に対する特定寄付金の内2,000円を超える部分は、所得税額の25%を上限に40%を税額控除できます。
    (公布日から適用)
 




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