3つの定義のうち、 1 については説明の必要はないでしょう。
例えば、「社長だった先代の一周忌の費用を会社で出した。参加者はほとんど身内だった。」という例は、接待交際費に該当しないと言うことです。
2 については次のとおりです。
「接待・供応に支出した費用」とは主に取引先を招いての飲食代、土産代、送迎費用など。
「慰安に支出した費用」とは主に取引先の忘年会・新年会やゴルフコンペなどの行事の祭の参加費など。
「贈答に支出した費用」とは主に取引先への中元・歳暮・祝金・香典・見舞金・餞別など。
「その他」とはビル等建設の際の起工式・落成式等に支出した費用、近隣住民への対策で支出した費用や特約店獲得のために取引先に支出した費用。
など、です。
3 については販売先・仕入先・外注先はもちろん、自社の役員・株主、従業員も該当します。
さて、以上をふまえて本題に入ります。
『接待交際費』と混同されることが多いのが『福利厚生費』です。
それは、その定義が「従業員(役員や個人事業主を含む。)の幸福・利益を目的として支出される費用」とされ、具体的には「社会通念上一般的に妥当とされる金額で
- 創立記念日等の社内行事に際し、従業員におおむね一律に供与される通常の飲食費用
- 従業員及びその親族の冠婚葬祭などの祭に支出される慶弔見舞等の金品の額
- 従業員の慰安・慰労のために行われる旅行、忘年会等に通常要する費用
- 従業員に支給した食事代、通勤費、住宅費等の現物給与のうち非課税となる額
- 永年勤続者、功労者等を表彰するために要する一定の費用
- 一定の条件を満たす社内福利厚生団体等に対し支出される補助金の額
- 従業員のための共済会等への拠出金
- その他
となっていて、このうち 1、2、3 が『接待交際費』の定義と重なっているためです。
では、実際どちらに該当するか判断に迷う費用がでてきた場合どうすればよいのでしょうか。
法人企業の場合、従業員が夫婦・親子などの血縁者だけで構成されているいわゆる同族企業においては接待交際費または給料、役員賞与として計上するのが無難です。 血縁関係のない従業員のいる一般の企業においては、ケ−スバイケ−スで判断するしかありません。
過去には、
「3‚000円までは福利厚生費、それを越えると接待交際費」
とか
「お茶、ジュ−スしか出さなければ福利厚生費、お酒を出せば接待交際費」
といったことが言われていましたが、
最近の税務署は「内容を精査して判断する」とのことです。
法人には交際費の損金不算入の規定があるだけに福利厚生費にしたいところですが、慎重に判断すべきでしょう。もちろん、福利厚生費として経理処理をしておいて、申告時に接待交際費にするのは問題ありません。
個人事業に関しては、法人のように損金不算入という規定はありませんので科目としてはあまり気にしなくてもいいでしょう。
但し、接待交際費にするか、家事関連の支出として経費に計上しないか、の判断は法人以上に慎重にすべきです。税務調査の際、
- 売上
- 仕入
- 人件費
- についで
- 接待交際費
- に着目し、そこに
- 家事関連で経費にならない支出が計上されているか、いないか、どれぐらい計上されているか
- 意図的か
- 単なるミスか
- 見解の相違か
といったことを、手がかりにする調査官が結構多いからです。
今回、紙数が尽きましたので『福利厚生費』以外の混同しやすい経費は、次回以降に説明させていただきます。
- 第1回「同族企業における福利厚生費の計上について」 2004⁄9⁄30
- 第3回「接待交際費と混同しやすい経費について:会議費」 2005⁄7⁄31

